旅するチケットプロジェクト
障がい手帳をお持ちの方をコンサートへご招待するプロジェクトは、こうして生まれた。
障がい者のコンサート観覧、ハードルが高い理由を知った!
昨年、視覚障害者の皆さん向けにコンサートを行った後、茶話会で皆さんとお話しする機会を得た。そこで出た意見を聞いて、自分の無知に驚いてしまった。
*そもそも視覚障害者へはコンサート情報が届きにくい。
*コンサートへ行きたいと思っても、介助者の都合も検討しなければならない。介助者のチケット代は障がい者ご本人が負担する場合が多い。介助者さんへは、日当や時間給でお願いしている。
*コンサート会場までの道中、着いてからトイレや席で問題ないか?がよくわからず不安に思っている。
*本人は行きたいと思っていても、他の人に迷惑をかけないか?と家族が不安に思い、ストップがかかる。
など。またこれは一例ですが、会場にいったことがないために、客席への動線を事前に下見しなければならない方もいらっしゃるとか・・・。そんなコンサート観覧へハードルが高い障がい者の方々にコンサートを見にきていただくには、どうしたらよいのか。コンサート主催チームメンバーに相談してみました。
【チームで出た意見】
『障がい者手帳をお持ちの方はチケット代を無料にするのはどう?』
→『購入してくださってる方もいるのに、まったく無料というのはちょっとご招待以外の方に遠慮しちゃうんじゃないかな。』
『じゃ、チケット代を安くする?』
→『どんな内容かわからないコンサートへ、割引があるからと言って来てくださるだろうか?介助者の方のチケットは普通に買わなくちゃだし。』
『やっぱり介助者様も含めてご招待しなきゃ!』
→『チケット収入が減って、招待ばかりしていてはコンサートが赤字になってしまうよ・・・』
『じゃあ、チケット代金を寄付で募るのはどう?』
→『寄付した側としては自分が出したチケット代がどうなったか?が知りたいなあ。招待される側も、会場でのトイレや席に不安に思われるのは今までと同じだと思うよ』
障がい者と介助者の皆様を最初にご招待した福岡コンサート
そんな意見を経て・・・旅するチケットプロジェクトが立ち上がった!
①チケット代を寄付で集める→誰かが購入してくれたチケットである。
②障がいをお持ちの方と介助者へ、チケットをプレゼント
③会場にトイレ介助や席へのご案内のスタッフを準備する
→安心してコンサートを楽しんでいただく(そして事前に参加希望者へその旨をご連絡する)
④寄付者の皆さんへは寄付の結果をご報告する
寄付を申し出てくれた、ありがたい友人たち。
最初に私が相談した長野県小諸市・軽井沢町の友人全員と、友人たちから概要を伝え聞いた佐久穂町の企業様が、ご招待する人数分のチケット代を寄付してくださり、資金25万円(4月〜6月のコンサートツアーへご招待する人数分・約60名分)が、わずか3日で集まりました。銀行のATMの前で、通帳に刻まれたその金額を見た時は、本当に胸があつくなり涙が出ました。ご本人たちの了承を得られれば、お名前を新聞内にて発表いたします。
福岡市視覚障害者福祉協会は、所属の会員様全員へすぐにメールを流してくださることになりました。その上で希望者は事務局でお名前をまとめてくださるとのこと。ありがたいです! 寄付をしてくれた友人たちの顔が思い浮かびました。みんなにすぐに伝えたい気持ちを抑えて、次の電話をかけることにしました。 以前、東日本大震災の時に一緒に慰問活動をさせてもらったグリーフケアの研究者であり、重度障がい者の口腔専門医でもある武田医師へ同じ内容をお伝えしました。先生も二つ返事で「音楽好きの患者さんがいます、僕からお一人ずつ連絡とりましょう」とお約束してくださいました。 コンサートまであと2週間しかない、まして聴いたこともない私たちの音楽に対して、快く提案を受け入れてくださる・・・音楽ってやっぱりすごいんじゃん!と実感した瞬間でした。
2025年4月4日、福岡から。プロジェクトスタート。
こうして、旅するチケットプロジェクトはスタートしました。
お約束してくださった障がい者の皆さんは本当に会場へ来てくださるのか?無事に皆さんを事故なくご案内できるか?何も知らずに普通にチケット買われたお客様はどんな風に思われるか?など、様々なことを思い巡らせながら、いよいよ4月4日当日を迎えました。
また、今後もこの活動を続けていくために、note上にて旅するチケットプロジェクト応援プランを始めました。この応援プランをご購読の皆様へは、おんがくのたび舎へよせらせた旅するチケットプロジェクト来場者ご感想を定期的にUP!詳しい報告レポートをお楽しみください。
https://note.com/nikotabi/membership
【noteメンバーシッププランご購読者】
毎月500円寄付していただくと、noteシステム使用料を引いた全額がこのプロジェクト運営に充てられ、おんがくのたび舎主催コンサート内で障がいをお持ちの方、介助者様をご招待し続けてまいります。
応援者のみなさまは、年4回発行のおんがくのたび舎新聞(データ版1部100円で販売)が無料で閲覧可能。またnote会員の皆様は『みっきーの裏話』その他の有料マガジンも無料で閲覧できます。
どんな方も一緒に音楽を楽しめる空間を、全国へ!
皆様のご支援を、様々な場所へお届けしてまいります♡